近赤外線撮像分光装置 InfraRed Imaging Spectrograph (IRIS)

近赤外線撮像分光装置:IRIS は、TMTが最初に載せる3つの観測装置の一つです。0.84〜2.4ミクロンの波長域で回折限界の撮像と面分光を行うことが出来ます。TMTでIRISを用いると、すばる望遠鏡の約4倍の空間分解能と約200倍の感度を持つことができるため、今まで見たことのない新しい宇宙を鮮明に見ることが可能となるでしょう。

ATCにおけるIRISの開発

IRISの開発はアメリカ、日本、カナダ、中国が協力して行っています。日本の役割は、IRIS撮像系の設計、製作、性能評価です。全長2.3メートルあるIRIS撮像系は真空容器内に設置され、液体窒素温度(-196℃)まで冷やします。また観測装置は10年間安定して稼働することが期待されています。このような大型冷却光学系を長期間に渡って安定運用することは容易ではありませんが、先端技術センターのメカニカルエンジニアリングショップを中心に、Hyper Suprime-Camやすばる望遠鏡の観測装置開発で培った経験と技術を元に、設計開発が進められています。

IRISの概念図

IRISは赤外線波面センサー、真空容器、そしてそれを支える支持構造で構成されています支持構造の上側に伸びている3つの部分が望遠鏡構造に取付きます。日本が担当する撮像系は真空容器の中に配置し冷却します。全体で高さが4mくらいになります 

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