ルーフトップミラー (2004年度)

人工衛星「あかり」搭載の遠赤外フーリエ分光器用の折り返し鏡であるルーフトップミラーです.

観測波長:10μm帯

もともと「あかり」では,ベリリウム素材のルーフトップミラーが検討されていましたが,ベリリウム鏡の固定は接着であり衛星打ち上げの際の振動に耐えられないおそれがあったために,軽い材料でさらにネジによる固定方式のルーフトップミラーが再検討されました.それが,このアルミ素材のルーフトップミラーです.

表面には赤外線の反射率の高い金皮膜がコーティングされています.形状精度PV2.33μm(要求精度PV10μm)を実現しましたが,もともとのベリリウム鏡が振動試験を合格し正式に採用されることになったため,実際に打ち上げられることはありませんでた.

 

要求精度

達成精度

材質

アルミ合金 A5052

形状

23×42mmの平面ミラー二枚を90度に組み合わせ

表面粗さ

RMS 667nm

RMS 7.43nm

形状精度(ミラー単体)

PV 10μm

角度誤差0とみなした時の形状精度 PV 2.89μm

(角度の誤差は形状誤差とみなすことができる:下図参照)

組み合わせ時の角度精度

90°±10″

 

傾きと形状誤差について

角度誤差と形状誤差の両方で評価

形状誤差は小さくなるが、角度精度も追及しなければならない。

傾きによる凹凸もすべて形状誤差として評価

形状誤差は大きくなるが、角度誤差は完全に0°となる。
今回はこの評価方法を採用した。

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