Nano JASMINE評価用球面鏡(2008年度)
超小型赤外線位置天文衛星「Nano JASMINE」に搭載される望遠鏡の性能を評価するための球面鏡です.
観測波長:800nm帯
Nano JASMINEは外形寸法約50cm立法,重量約20kgという非常に小型の人工衛星です.そのため,集光された光を同じ経路で折り返すことができれば,光学常盤の上に乗せて干渉計によって性能の測定が可能となります.
その光を折り返すための鏡が,この球面鏡です.
望遠鏡は-50度以下まで冷却された状態で使用するので,構造材と鏡を同じ素材で作すことで熱収縮の影響を少なくすることができます.
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要求精度 |
達成精度 |
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材質 |
アルミ合金 A5052 |
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形状 |
外径50mm(有効径40mm)、曲率半径50mmの凹球面 |
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表面粗さ |
RMS 10nm |
RMS 9.7nm |
形状精度 |
RMS 40nm |
RMS 21.5nm |
望遠鏡の評価について
干渉計で形状を測定するには,干渉計から出た光を反射させ干渉計へと戻さなくてはなりません.そのためにまず,組み上げた望遠鏡に平面波を入力し,ある点に光を集光します. 次に,その位置に曲率中心が来るように球面鏡をセットします.球面鏡は曲率中心から出た光をそのまま元の位置へ反射するので,球面鏡で反射した光は再び望遠鏡を通って干渉計へと帰っていきます.