現在，先端技術センターで開発を進めている”電波カメラ”に使用される集光素子として，シリコン（Si）でできた半球状のレンズを並べたレンズアレイの開発に取り組んでいます．

2010年度に９素子のレンズアレイを作製し，2011年度に１０２素子のレンズアレイの作製に成功しました．半球の一つ一つが通常のカメラの１ピクセルに相当します．

9素子Siレンズアレイ

これは2010年度に作製した3×3の9素子レンズアレイです．すべて板材から削り出して作製しました．レンズ同士の隙間は最も狭い部分で0.3mmという狭さのため，半径0.15mmの小径の工具を使用して加工しました．

	目標精度	達成精度
材質	高純度多結晶シリコン
レンズ半径	2.045mm
素子数	9個
表面粗さ	Ra 5μm	Ra 1.27μm
形状精度	PV 50μm	PV 20μm

R0.15mmエンドミル

これは９素子のSiレンズアレイを加工するのに使用した，先端半径0.15mmのボールエンドミルです．レンズ頂上部の狭くない部分にはR0.5mmのエンドミルを使用し，レンズ同士の最も狭い部分（0.3mm）を加工する仕上げ加工でこの工具を使用しました．

 

102素子Siレンズアレイ

これは2011年度に作製した１０２素子のSiレンズアレイです．レンズ半径など細々とした変更もあったため，より挑戦的な加工となりましたが，合計1000素子を目指している電波カメラの開発にとって大きな前進となりました．

	目標精度	達成精度
材質	高純度多結晶シリコン
レンズ半径	1.02mm
素子数	102個
表面粗さ	Ra 5μm	Ra 2μm
形状精度	PV 50μm	PV 50μm